キープオンゴーイング
前回の記事で書いた日野原重明先生の「生きていくあなたへ」を読み終えました。
昨年の7月18日に逝去された聖路加国際病院の名誉院長、名誉理事長を歴任された偉大な方です。
この本は、質問に対して日野原先生が答えていく形式をとっています。
とにかく、 先生の言葉から「感謝」という言葉が何度も何度も出てきます。
でも、偽善のような感じは全くしなくって、日野原先生は本当にいろいろな人やものに感謝をしているんだなと言うことが伝わってきました。
先生はとても謙虚です。
そんな先生のターニングポイントは、58歳。
よど号ハイジャック事件に巻き込まれ、4日間ハイジャック犯に拘束された時のことです。
4日間、犯人とずっといるなんて、想像もできないですね。頭がおかしくなっちゃいそうです。でも、先生は自分の脈を測ったようですが、こんな時でさえも医者なんだなぁと。
恐らく何度も死ぬんじゃないかって思ったはずです。家族、友人、いろんな人たちのことを思い、恐怖に震えたことでしょう。
先生はこの時に「1度死んだ」という表現をされています。そして、この命は与えられたもの。これからは、自分のためではなく、人のためにこの命を捧げようと決意されたようです。
先生の好きな言葉は「キープオンゴーイング(前に進み続けよう)」
人間というのは、逆境のときにこそ、自分の根源と出会うことができるとおっしゃっています。
たしかに、自分の人生を思い返してみると、楽しかったことよりも、辛いことの方がよく覚えていて、その時に乗り越えたことが今の自分につながっているような気がします。
105年。私の約3倍の時を生きても尚、前向きに感謝をしながら生きる姿というのは、人類の見本ですね。
大事な命を失ったことを残念に思うと共に、この本で教わったことをちょっとでも毎日の生活の中に取り入れていきたいと心から思いました。
先生、ありがとう!
苦しいときに「キープオンゴーイング」と唱えてみると、ちょっと勇気が出そうです。